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existence




空き時間


こころのすきまをを埋める為に
ボクは図書館へむかう。


静かな場所でこわれた欠片をつなぎ合わせてゆく。


活字だらけのノートを丁寧に消してゆく。
シャー芯を一本ずつ折ってゆく。


マジメ面なんて思われたくない。
適当な人間に為りたい。


そんなボクがトイレにいって鏡を見ては落胆している時だった。
ひとりの女の子が入ってきた。
彼女が個室に入ったとたん
なにやら聞き覚えのある雰囲気が・・・。


カチ カチ カチ カチ カチ・・・
ハァ、ハァ。


個室の中から微かに彼女のすすり泣く声がきこえた。
ボクは、いにしえの光景を思い出してしまった。


切ってはティッシュで押さえ、切っては押さえ
なんども切った。切れるだけ切った。
痛みなんかは何処かへ消えて、とにかく刃を走らせた。
頬から伝わる雫が紅の絨毯を広げていった。


そんな姿を思い出してしまった。


もしかしたらあの子も同じ仲間なのかなぁと
同じことに苦しんでいるのかなぁとさえ思った。


でも、ボクは残酷なことに
彼女がすすり泣いていて, きっと うなだれているだろう姿を想像しながら
ひたすらその個室越しできいていた。


ボクの大学に高層階から鮮やかに飛んで
そのまま二度と目覚めなかった先輩がいる。


今年の入試シーズンのことだったけど。

ボクも含めて、いろんな人が居ていいんだって
ある意味思えた...。


03/06/27





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